書道買取事例『中国真蹟大観』 同朋舎出版

『中国真蹟大観』全27冊揃 トップ画像

王義之(303-361)や欧陽詢(557-641)といった伝説級ともいえる歴史上の人物から、明代の王鐸(1592-1652)、そして清朝末から近代中国で活躍した呉昌碩(1844-1927)まで! 中国書史にその名を連ねる歴史上の人物たちが、実際に書いたと認められている筆跡を一挙に集めた『中国真蹟大観』全27冊揃をお譲りいただきました、ありがとうございます!

全27冊の配分は、やはり現存の書が多い最近の王朝の比率が多くなります。呉昌碩が活躍した清代が27冊中13冊、王鐸が生きた明代が27冊中8冊を占めていますね。

『中国真蹟大観』全27冊揃 各巻表紙

王義之の書を多く収録しているであろう晋・唐・五代は1冊にまとめられていますが、むしろ西暦300年代の書が現代まで伝わっていることに驚かされます。書の芸術性を確立させたことで書聖とまで称された王義之の真蹟は、唐の第2代皇帝にして文治政治にも力を入れた太宗(李世民)が好んで蒐集したものがベースとなっています。唐代以降も繰り返された後の戦乱で王義之直筆のものは失われたとされていますが、太宗のコレクションが石版や木板に模刻されたおかげで現代まで伝えられました。

以降の中国王朝でも清の乾隆帝など、王義之の書のファンは多かったようです。もちろんそうした文化保護に熱心な時の権力者のおかげで、王義之以外の書も長く保全されてきたのでしょう。本書を発行した同朋舎や、同様に中国や日本の書道関連書籍を発行する二玄社など、過去の筆跡や書史を語り継ぐ出版社、そしてその書籍を所有してきてくださった皆さん、歴代皇帝と同様に文化を次代に残す役割を担っているといえるでしょう。そしてこうした書の本を人から人への橋渡しをお手伝いする弊社もまた、その一端で何らかの力になっているはずと自負しております。

古書店三月兔之杜では、各種書道関連書籍の買取のご相談をお待ちしております。書籍関連は図版も多くサイズが大きくなりがちなため、全巻揃いなどの場合はかなりのボリュームとなりがちです。そうした場合も出張買取を行っておりますのでご相談ください。まずはご連絡を!

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