『日本名筆選』(二玄社/全47巻揃)をお譲りいただいたのでご紹介いたします。
書道の書籍ではお馴染みの二玄社から出版されました『日本名筆選』、宮内庁や文化庁、博物館などの協力を得て原本を理想的な直接撮影で収めている為、これ以上ないクオリティの仮名手本となっています。
「名筆選」とある通り、選定されたものはすべて一級品の古典で歴史的にも大変著名な作品ばかりです。国宝にもなっている『源氏物語絵巻』の巻もございまして、お手本として扱う書籍の筈なのに普通に読み耽ってしまいそうになってしまいます。当然フルカラーで本当に綺麗に作品が載せられているので二玄社の培ってきた技術の高さが伺えます。
そしてこの名筆選の第1巻は当然『高野切第一種』の巻です。
現存する最古の『古今和歌集』の写本の通称である『高野切』、現存する巻は全20巻の内、1,2,3,5,7,8,18,19,20巻のみですが歴史的資料的価値は勿論のこと、その書風は仮名書道の中でも最高峰に位置するとして、そういった面でも非常に重要な作品です。この『高野切』、長年の研究の結果、筆跡からどうやら3人の人間が分担して書写したとされています。この名筆選ではその内の1,9,10,11,12,20の巻を担当したとされる第一種を掲載しています。この第一種は書風がとても素晴らしく、現在でもお手本として仮名書道界では尊重される出来栄えです。実際に見てみますと非常に癖が無く読みやすい、それでいて大変整っている均整の取れた書風で確かにこれは手本とすべきだなと納得するものですね。実際に書いてみると全然このようにバランスが取れていてかつ優雅にはとてもじゃないですが書けないので、余程の達人がこれを書いたんだなと分かります。一説では三蹟の一人に数えられる藤原行成の息子、藤原行経だとする説もありますがこの書きっぷりを見ると納得してしまう所がありますね。
今回このような非常に勉強になる書物を全巻揃いでお譲りいただいて本当にありがとうございました。
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