『マルクス=エンゲルス全集』を買取(大月書店版/全54巻揃)

マルクスエンゲルス全集

『マルクス=エンゲルス全集』(モールと将軍含む全54冊揃/大月書店)は弊店でも何度も買取させて頂いております。

『マルクス=エンゲルス全集』、通称『マルエン全集』が絶版になったというニュースを、1990年代の何時でしたか、私は朝日新聞の文化欄で知りました(後にCD-ROM版、そしてオンライン版に移行)。記念に1セット買っておこうか迷ったことを今でも覚えています。ただ、底本自体がソ共寄りの内容との噂もあり、その後に党派的解釈を廃した完訳版(新MEGA)の作業が始まったとの話も聞いて、躊躇があったのは事実です。

それから20年は経ちました。現在の状況は如何でしょう。大月書店の国民文庫シリーズは、赤い装丁でお馴染みの『資本論』だけとなりました。今日の共産主義の崩壊と、学問としてのマルクスとは、その関係性は低いはずです。しかし壁の崩壊は、民主主義の獲得と引き換えに、学問としてのマルクスを端に追いやりました。例えば私の大学時代の経済学部では、近代経済学とマルクス経済学は1年時の必須単位科目でした。けれでも現在ではマルクス経済学を教えなかったり、選択性だったりする大学も出てきたと聞いたことがあります。

一方、好意的な捉え方をすれば、今まで色々な尾ひれがついてたマルクス主義から、綺麗さっぱり洗い流した本来の姿に戻ったという解釈も出来ます。

さて、本題です。現在の古本屋さんの買取状況は如何でしょう?今も紙の『マルエン全集』は需要がありますから、私たちも買取が出来ます。では何故、このように勿体ぶった書き方をしているかといいますと、買取出来る古本屋さんが大夫減っているからです。
これは社会主義関係全般に言える事で、ある時、『レーニン全集』が、とある地方の古書市場で競りにかけられました。書店からの輸送箱付の綺麗な未読状態です。その時、買いたいと手を挙げる古書店主はおりませんでした。あぁ、レーニンでさえ、この扱いです。かつて、国民文庫を買っては赤線を引きながら読んだ『何をなすべきか?』や『国家と革命』。私の青春時代は何処へ・・・という感じでしょうか(泣)。

マルクスの学問的研究は、もちろん、M.フーコーや、吉本隆明の発言のように、その時代という枠の制約がある点は事実です。その点を踏まえながらも、資本主義が存在する限り、有効性があります。現在「簡単にわかる資本論」的な本がコンビニで売られるような時代になりました。今まで敷石が高く敬遠気味だったマルクスも、他の「生き方の本」と同様な次元で語られる様になったのです。これは素直に良いことだと思います。

という訳で、社会科学系、中でもマルクス主義、共産主義の古本買取は店主の経験と知識が無いと難しいのです。弊店では、更に当時の新左翼・学生運動の機関紙やビラなど、思わぬモノが買取出来たりします(あくまで弊店では、です・・・。)
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哲学・思想系の古本は弊店の得意分野です。大学の先生からのご依頼も数多く実績がございます。研究室の蔵書整理もお任せ下さい。
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