囲碁専門書買取事例|木谷實全集 全5巻揃(筑摩書房) 1977年/昭和52年発行 初版函入

木谷實全集 トップ画像

明治42(1909)年生まれの囲碁棋士、木谷実(實)の全集をお譲りいただきました。ありがとうございます。

木谷実(きたに みのる)は神戸に生まれ、少年時代から天才棋士として活躍。各種手合(対局)に取り組むと同時に囲碁研究にも打ち込んだ人物です。昭和8年に呉清源と共に発表した「新布石」は、斬新なスタイルで話題となります。実際に彼らはその新布石によって好成績をおさめています。

翌年に平凡社から出版された『囲碁革命・新布石法』は実に十万部の大ベストセラーとなるなど、社会現象ともいえるブームを巻き起こしました。いかに木谷たちが生み出した新布石が革新的であったかと同時に、当時の囲碁人気を感じますね。

「新布石」は田中不二男らが「ウルトラ新布石」を提唱するなどヒートアップしましたが、1936年頃には沈静化していきました。

生い立ち

木谷實全集 1巻

木谷は8歳の頃より鳥居鍋次郎に師事し、続いて鴻原正広久保松勝喜代に師事しました。大正10(1921)年、12歳で鈴木為次郎の内弟子となるべく上京。この時二所ノ関部屋に居候することになり、力士たちに弟分としてかわいがられた縁で大食漢となったといわれています。

大正13(1924)年に入段。同年に設立された日本棋院に参加し、そこで中国出身の呉清源と出会います。

▼呉清源についてはこちらもご参照ください

以後、木谷は毎年のように段位を上げ昭和2(1927)年には四段となり、「怪童丸」の異名で呼ばれるようになります。各種手合いでも好成績を重ね、本因坊名人引退碁に勝利します。その激戦の様子と世襲制だったそれまでの本因坊制度の終焉は、川端康成の『名人』に描かれるほどの名勝負でした。同作における本因坊の対局者「大竹」のモデルこそ、木谷その人です。

また、自宅を木谷道場として後進の教育にも力を注ぎます。彼の弟子たちは1970年代から平成初頭頃までタイトルを多数奪取し、現在も孫弟子まで含め一門からプロ棋士を多く輩出しています。1975年12月、木谷はこの世を去りました。

獲得タイトル

木谷實全集 本

木谷は不思議とタイトルにはなかなか縁がなく、初タイトルは1957年の囲碁選手権戦と最高位戦。翌年には最高位戦を連覇し1959年にはNHK杯にも輝きます。しかし自らそれまでの世襲制に引導を渡したはずの本因坊戦では、三度挑むものの挑戦者止まりでした。ただし1971年に門下生である石田芳夫が「本因坊」を獲得しています。

著作・打碁集

先述の「新布石法」(1933)は木谷と呉の研究を囲碁ライターの安永一がまとめたものですが、翌年には自ら執筆した「布石と城跡の統合」を上梓。晩年には脳溢血によって療養と復帰を重ねます。1968年の第六期プロ十傑戦を最後に正規の手合いからは離れます。同年打碁集『現代の名局3・4 木谷実』が誠文堂新光社より刊行されています。

木谷實全集 奥付

今回お譲りいただきました『木谷実全集』は、1977年刊行開始。翌78年5月に第5巻が発売され完結します。このほか1980年にスタートした打碁全集シリーズ『現代囲碁大系』(講談社)では、全47巻中の第8巻『木谷実 上』と第9巻『木谷実 下』にまとめられています。


古書店三月兎之杜では、各種囲碁専門書・打碁集などの買取をお待ちしております。昭和期の囲碁や将棋関連書籍は特に希少なため大歓迎! まずはお気軽にご連絡ください。

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