『鏡花全集』を買取させていただきました(東京都板橋区より宅配にて)

東京都板橋区より宅配にて『鏡花全集 』全30巻揃(28巻+別巻+月報巻)岩波書店を買取させていただきました。有難うございました。

江戸文芸の影響を深く受けた、怪奇幻想趣味は、現代でも高く評価されていて、その中でも鏡花の持ち味である、幽玄で華麗で鏡花特有の文体・精工かつ精妙の限りを尽くした作風は、川端康成、石川淳、三島由紀夫らにかなりの影響を与えたそうです。

最後に、中島敦が鏡花のことを激賞している文がございましたので、抜粋させていただこうと思います。

「日本には花の名所があるように、日本の文学にも情緒の名所がある。泉鏡花氏の芸術が即ちそれだ。と誰かが言って居たのを私は覚えている。併し、今時の女学生諸君の中に、鏡花の作品なぞを読んでいる人は殆んどないであろうと思われる。又、もし、そんな人がいた所で、そういう人はきっと今更鏡花でもあるまいと言うに違いない。にもかかわらず、私がここで大威張りで言いたいのは、日本人に生れながら、あるいは日本語を解しながら、鏡花の作品を読まないのは、折角の日本人たる特権を抛棄しているようなものだ。ということである。しかも志賀直哉氏のような作家は之を知らないことが不幸であると同様に、之を知ることも(少くとも文学を志すものにとっては)不幸であると(いささか逆説的ではあるが)言えるのだが、鏡花氏の場合は之と異る。鏡花氏の作品については之を知らないことは不幸であり、之を知ることは幸である。とはっきり言い切れるのである。ここに、氏の作品の近代的小説でない所以があり、又それが永遠に新しい魅力を有つ所以もある。」

 

現在出ている資料では、中島敦と泉鏡花は全く面識が無いことが分かっています。あの中島敦がここまで言うのは相当なことだと思います。
この激賞されている文を読んだらまた鏡花が読みたくなって参りました。「高野聖」を久しぶりに読もうと思います。

 

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