二葉亭四迷全集を高知県須崎市より宅配買取にてお売りいただきました。

「くたばってしめぇ!」ではなく、二葉亭四迷全集を高知県須崎市より宅配買取にてお売りいただきました。


先ほど書きました、「くたばってしめぇ!」ですが、意味もなく書いたのではなく、二葉亭四迷という名前の由来として有名なので書かせていただきました(笑)
・二葉亭四迷が父親から「作家なんかロクな仕事ではない。」と、理解してもらえずそんな職に就くなら「くたばってしめぇ!」と言われたということ。
・代表作である『浮雲』を発表する際に、当時、無名だった二葉亭四迷を出版してくれるところが無く、師である坪内逍遥の本名「坪内雄蔵」の名を使って刊行した、この事を自嘲(もしくは自戒)し、そんな自分に対して 「くたばってしめぇ!」と思い用いるようになった。

この『浮雲』ですが、文学的にも重要な作品で、言文一致体で書かれたことが新しかったと考えられた作品です。
言文一致体というのは、簡単に言うと、江戸時代までは漢文的表現が主流で、文章で書く言葉と話す言葉が乖離しておりました。それは文体も学校で習う古典のように、くせがあり難しものでした。しかし、二葉亭四迷はロシア語を勉強していた人なので、トゥルゲーネフの短編を翻訳し、新しい小説の文体を探していました。そこで見つかったのが、”言文一致体”です。
この言文一致体で書かれている『浮雲』は日本における小説の誕生という視点でも非常に興味深い作品です。

ここで『浮雲』がどんな作品なのか簡単にではありますが、ご紹介させていただきます。
主人公は内海文三という今で言うなら草食系男子。時代は西洋の風が入ってきた時分。ほとんど引きこもりがちの生活をしている文三が、妄想に妄想を重ねて、恋に悩む話です。
身体を動かすの大好き!夏は海にキャンプに夏祭り!冬はスノボに温泉旅行!」という、アクティブな人には向かない話かもしれませんが、どうしてうまくいかないんだろうと、人間関係 などに悩んでいる方はかなり共感できる小説だと思います。

前半読みづらいくらい堅苦しい文章ですが、第三回までは頑張ってみてください。そこを越えるとグッと読みやすくなると同時に、そのころには文三に自分を重ねてしまっているはずです。
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