ただいま買取強化中に少年マンガ雑誌、今回は週刊少年サンデーの『犬夜叉』(高橋留美子)連載開始号をご紹介します。この年の12号で1987年から9年間続いていた『らんま1/2』が終了。約10か月の充電期間を経ての新連載でした。
『犬夜叉』同様現代の女子高生が戦国時代にタイムスリップする作品として、同じ作者の『炎(ファイヤー)トリッパー』がよく挙げられます。作者の高橋留美子は『うる星やつら』『めぞん一刻』『らんま1/2』といった長期連載の合間や平行して読み切りや連作などの短編作品を発表しています。『炎トリッパー』は1983年のサンデー増刊号に掲載された作品で、主人公がセーラー服姿で戦国時代で行動するなどの共通点がありました。
実際に『犬夜叉』の個人的な第一印象は『炎トリッパー』のリメイクかと思いました。しかし『炎トリッパー』ではタイムスリップの方法こそが物語の重要なカギでしたが、『犬夜叉』では井戸を使って容易に現代と行き来できる点は驚きました。現代人が異なる時代と行き来するマンガは『犬夜叉』以前もありましたが、タイムパトロールものだったりそれなりの特権があるものが多かったと思います。『犬夜叉』のように地続き的なものは珍しかったはず。かなり不思議な印象でしたね。
そのため初期はバトルの緊張感が薄れる印象でしたが、現代の生活を守りつつ犬夜叉たちの時代を放っておけないかごめの二重生活や、作中の時間経過などが丁寧に描かれ、むしろ地に足がついた冒険ものという独自のジャンルとなった印象です。実際本作は2008年までの長期にわたる人気連載作品となり、2000年から2004年、2009年から2010年にかけてアニメ化もされていますね。また、2020年から2022年にかけてはアニメオリジナル続編として『半妖の夜叉姫』が製作されました。
さて、連載開始号に戻ってもう少し。『犬夜叉』連載開始号の顔ぶれは上の通り。『犬夜叉』以外の21作品のうち16作品が最終的に3年以上の長期連載作品となり、かなり強力な布陣だったといえるのではないでしょうか。事実週刊少年サンデーはこの時期若干部数を持ち直しはじめて、1995年に140万部だった発行部数が、1998年に170万部まで持ち直しました(歴代の最高発行部数は1983年の228万部)。その後再び部数は減り始めますが、電子書籍の台頭や印刷不況などの影響もあるため単純に数字では評価できないようになっていきます。
こうした同期の作品群から伝わる当時の雑誌の特色などは、単行本派ではなかなか伝わらない要素です。(私はリアルタイムで買っていたサンデーは『男組』とか『まことちゃん』が連載されていましたので、随分変わったなあと……。個人的には目次の画像で見切れている表3の当時のアイドルグッズの広告なども気になりますね。
古書店三月兎之杜では、少年マンガ雑誌のバックナンバーの買取をお待ちしております。特に昭和から平成初期(1990年代)にかけては大歓迎! 人気作品の連載開始号や巻頭カラー号などは高額査定となる場合もあります。1年分や2年分、それ以上まとめてなどの大量コレクションは、ご自宅までうかがう出張買取にて対応可能です。もちろん欠号などがあっても構いません。まずはお気軽にご連絡・ご相談ください!