少年マンガ誌買取事例|「別冊少年マガジン」(講談社)2009年10月創刊号、諫山創『進撃の巨人』、『どうぶつの国』ほか連載開始号

別冊少年マガジン」(講談社)2009年10月創刊号表紙

2009年9月に発売された「別冊少年マガジン」創刊号をお譲りいただきました、ありがとうございます。講談社「別冊少年マガジン」の誌名は、1964年に季刊誌として発行された際に一度使われていますがそれとは別もの。初代「別冊少年マガジン」は1975年に「月刊少年マガジン」となり、現在も続いています。

別冊少年マガジン」(講談社)2009年10月創刊号 表4

それに対してこちらの2009年創刊の「別冊少年マガジン」は、「週マガでできないことをやろう」をコンセプトの一つとしていました。そこで着目されたのがファンタジー系の作品をクローズアップ。創刊号からの目玉に選ばれたのが、小学館と「縁を切る」かたちで移籍してきた雷句誠の『どうぶつの国』でした。そしてもう一点が何ら連載実績もなく、週刊少年ジャンプ編集部に持ち込むも拒絶されたという新人・諫山創の『進撃の巨人』でした。

別冊少年マガジン」(講談社)2009年10月創刊号 『進撃の巨人』トビラページ

実績のなさ故、表紙における『進撃の巨人』の扱いは小さいものですが、この創刊号の第一話はいきなり巻中カラーでの掲載。編集部がその実力を認め、高い期待を寄せていたことがわかります。事実、発表からほどなく話題の作品となり、2021年4月まで堂々11年半にわたる長期連載作品へと成長。番外編など多くのスピンオフや、小説・ゲームなどのマルチメディア展開も行われ、連載の進行にあわせてテレビアニメも全4期にわたり製作されました。グロテスクな描写が多い作品にも関わらず、アニメ第3期以降がNHK総合にて放送されたことも驚きでしたね。

別冊少年マガジン」(講談社)2009年10月創刊号 『どうぶつの国』トビラ

そして創刊号のメインである『どうぶつの国』を描いた雷句誠。いわずと知れた人気作品『金色のガッシュ!!』の作者ですが、度重なる編集部の不義理によって小学館と訣別。他出版社にての初の連載作品でした。出版社単位での作家の囲い込みは手塚治虫やトキワ荘世代の頃からよくある話ではあります。ただし、訴訟問題まで発展した雷句氏以降も、多くの作家から問題点が告発されたことは印象深いですね。SNSの力によって作家側の「言い分」も発信できるようになったことが、昔とは違うところでしょうか。

別冊少年マガジン」(講談社)2009年10月創刊号 目次

「別冊少年マガジン」の話に戻り、創刊号の顔ぶれを見ると『じょしらく』や『惡の華』など、後に話題となる実験的な作品も見受けられ、雑誌全体がちょっとした実験場だったことが窺えます。また、折折り込みポスターは『しゅごキャラ!』などの作者PEACH-PITが、『さよなら絶望先生』を描くというコラボ企画でした。

別冊少年マガジン」(講談社)2009年10月創刊号 ポスター

せっかくなので最新の『別冊少年マガジン』の顔ぶれも見てみましたが、やはりファンタジー路線は根強く残っているようですね。実際ここ20年くらいのマンガ・アニメ・小説では、異世界転生ものに代表されるファンタジー作品の時代でしたね。こうした比較も単行本ではできない楽しみだったりします。

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