昭和から平成へと年号が替わった1989年。この年の週刊少年ジャンプおよそ1年分をお譲りいただきました、ありがとうございます。昭和生まれの自分としても、この年のことを思うと色々と感慨深いものがあります。とはいえ実はこの年大学浪人していたので、娯楽とは一番無縁な年でもあるのですが。
今回は有名作品やこの時期に連載開始した作品などをピックアップしてご紹介しましょう。
『ドラゴンボール』

ジャンプといえばな主力作品。この時期は悟空の青年編アニメでいう『Z』の序盤の頃です。少し遅れてアニメもこの年の4月から『Z』がスタートします。成長した悟空は息子である孫悟飯を連れて登場。宇宙からの脅威・サイヤ人が襲来します。地球にはほぼ敵はいなくなっていた悟空でしたが、同族であるサイヤ人の登場によってふたたび勝敗の行方はわからなくなっていきました。
『ジョジョの奇妙な冒険』
15号にて第2部(後の『戦闘潮流』)が終了。16号から第3部(後の『スターダストクルセイダース』)がスタートします。第3部は第2部の50年後。両エピソードの最後から冒頭にかけて第2部主人公のジョセフが橋渡し役となり、両者をシームレスにつなぐ構成でした。また、第1部(『ファントム・ブラッド』)・第2部と過去を舞台としていましたが、本作の舞台は1988年。ほぼ現代を舞台とします。本作から導入された「幽波紋(スタンド)」の設定は、以後の『ジョジョ~』の基本要素となります。ある意味現行の『ジョジョ~』はこの年に始まったといえるかもしれません。
1989年の新連載作品
このほか、22号から52号にかけて土方茂(現:小畑健)の『CYBORGじいちゃんG』が連載。23号から39号にかけては次原隆二『隼人18番勝負』、24号から40号にかけてはゆでたまごによる『SCRAP三太夫』が連載スタートし、この年のうちに終了していきます。

また、『HUNTER×HUNTER』の冨樫義博は32号より『てんで性悪キューピッド』を、『SLAM DUNK』の井上雄彦も33号から『カメレオンジェイル』(原作:渡辺和彦)を成合雄彦名義にて連載開始しています。共に両氏の初連載作品となりますが、残念ながら『てんで~』は翌年13号にて、『カメレオン~』に至っては12週後の44号にて終了しています。
先述の次原隆二(『よろしくメカドック』)やゆでたまご(『キン肉マン』)、巻来功士(『ゴッドサイダー』)などの実績のある作家はもちろん、後に大ヒット作を生み出す小畑健、冨樫義博、井上雄彦らの初連載作品はいずれも短期に留まった年でした。『ジャンプ』の厳しさが垣間見えます。
最終的にこの年の新連載13作品の中で1年以上続いたのは、終盤に連載開始した『DRAGON QUEST-ダイの大冒険』(原作:三条陸、監修:堀井雄二、マンガ:稲田浩司)と『電影少女』(桂正和)のみでした。
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