三島由紀夫・限定本買取|『鍵のかかる部屋』A版、『サド公爵夫人』限定版、『黒蜥蜴』特装限定版、署名入り

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昭和文学を代表する作家のひとりであり、政治活動においても鮮烈な印象を残していった三島由紀夫。いまでもファンの多い作家です。

今回その著作の特装版をお譲りいただきました、希少な本をありがとうございます。

『鍵のかかる部屋』A版(プレス・ビブリオマーヌ)

『鍵のかかる部屋』A版 1

『新潮』1954年7月号で発表された短編作品です。同年6月、三島は書き下ろしの長編小説『潮騒』を発表。三重県の神島(歌島)を舞台に、ひと組の男女の清々しい恋愛を描いた同作はベストセラーとなります。

しかし直後に発表された本作は、終戦直後の無秩序な東京を舞台に、財務省に入省したてのエリート青年が主人公。

入省以来人妻の家の「鍵のかかる部屋」で逢瀬を繰り返していたが……といった頽廃的な作品でした。

『鍵のかかる部屋』A版 挿絵

今回お譲りいただいたのは発表から16年後の1970年6月、プレス・ビブリオマーヌから発行された395部限定の「A版」となります。

総革装、布装夫婦函入り。

『鍵のかかる部屋』A版 サインと名刺

表紙には純金象嵌番号鍵がはめ込まれ、記番と三島の署名入りとなります。また、主人公である児玉一雄の名刺つきです。

『鍵のかかる部屋』A版 カバー

なお、『鍵のかかる部屋』の限定版はこのほかに180部限定の「B版」や、口絵なしの特別限定B版15部、無番号のA版5部などがあるとされています。

戯曲『サド侯爵夫人』限定版(中央公論社)

『サド侯爵夫人』ボックス

1965年『文藝』11月号にて発表された戯曲(演劇脚本)です。

内容はフランス革命期の放蕩貴族にして多くの頽廃文妻・ルネ夫人を含む6人の女たちの会話劇です。

国内のみならず海外でも上演され、三島の最大のヒット作にとどまらず、戦後演劇史上最高傑作」とも評価されています。

『サド侯爵夫人』表紙

本作の初版単行本は発表年の11月に河出書房新社から発行されていますが、今回お譲りいただいたのは1967年8月発行の中央公論社の限定版です。発行部数は380部、三島の署名入りとなります。

『サド侯爵夫人』署名

戯曲『黒蜥蜴』特装限定版(牧羊社)

黒蜥蜴 挿絵

1934年に発表された江戸川乱歩の探偵小説『黒蜥蜴』。美貌の女盗賊・黒蜥蜴と名探偵・明智小五郎が対決が描かれます。全編にエロ・グロなどの頽廃美がちりばめられ、乱歩の代表作となりました。

黒蜥蜴 サイン

『黒蜥蜴』は複数の劇作家によって戯曲家もされていますが、中でも有名なのがやはり三島由紀夫のもので、1961年『婦人画報』12月号に掲載。翌62年3月にに初代水谷八重子、芥川比呂志の主演で初演されました。戯曲版『黒蜥蜴』については乱歩自身も「なるほど」と感心するほどのアレンジで、宣伝ビラに自らも上演を待ちかねている旨のコメントを寄せています。

黒蜥蜴 丸山明宏写真

以後も多くの演出家や俳優たちによって舞台化されますが、中でも三島とは私生活でも交流のあった丸山明宏(現:美輪明宏)は、舞台や68年映画版に主演。以後彼にとっては黒蜥蜴が当たり役となります。1969年5月に牧羊社から単行本が発売。翌70年1月に今回の特装限定版が350部限定で発行されます。総革装(紅色革と紫色革の2種、本書は紅革)で口絵にはカラーの丸山明宏の舞台写真が入り、本文は2色刷り。記番(本書は261/350)と三島の署名が入ります。

黒蜥蜴 ケース

古書店三月兎之杜では三島文学をはじめとする各種限定特装本の買取をお待ちしております。電子書籍の時代だからこそ、現在はほとんど見ることのできない特殊装幀本を探しております。まずはご連絡ください!

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