『セリーヌ全集』（国書刊行会／全巻揃）を入荷致しました。

物語と呼べるものがあるかと言われると悩んでしまいますセリーヌの文章。あまりにもストレートに情動的に叩きつけられる文章には本当に実直な魅力にあふれた文章なのでぜひ読んで欲しいのですが、幾分オススメするのが難しい……。いきなり読んで面を食らうのは避けられないので覚悟してくれというほかないのですが、それでも読んでみてほしい作家の一人です。現在でも彼の過激な思想も相まって評価が真っ二つになっている作家ですね。

当時の広告からして「この本は、好きになるか嫌いになるかのどちらかだ。無関心ではいられないだろう」と、書かれてしまうくらいには尖がり過ぎな文章を書いていたセリーヌ。前述したように彼が書く叩きつけるような文章は本当に人を選ぶもので自分の周りでもとても好きか大っ嫌いかに分かれています。自分は好き寄りの人間ですね。自分が初めてセリーヌを読んだのは代表作である『夜の果てへの旅』をタイトルがカッコいいからという軽い理由で手に取って綺麗にカウンターで殴られたのをよく覚えています。とにかく叫び続けているような文章が続いていて自分は何を読んでいるんだろうって感覚になりました。時間がたって読み直した時はそういった奇抜さには慣れてもっとちゃんと読めるようにはなっていてその時になってやっとセリーヌが面白いってなりましたね。

装丁も非常にお洒落なものになっています。全集って簡素なものが多いんですがこちらの全集は細部までこだわって作られています。編集した人もセリーヌが大好きだったんでしょうね。
一気読みは難しいと思いますが少しずつ読んでいくと、セリーヌの優しすぎる部分が見えてくると思うので是非めげずに読んでほしいです。

三月兎之杜では全集の買取も行っております。近年の読書事情などで、お値段をお付けするのが難しい本もあったりしますが、まだまだお値段の付けられる本は数多くあります。まずは当店にお気軽にご相談ください。
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