
Boon(ブーン)は、90年代の男性にとって「古着とスニーカーの教科書」だった雑誌です。1988〜1993年の表紙を見ながら、当時の空気をゆるっと振り返ります。
※実売65万部など、資料で数字が割れる箇所には注記を付けています。
目次
Boonってどんな雑誌?
まずは雑誌の基本的な情報をまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行元 | 祥伝社 |
| 創刊 | 1986年12月号(当初は季刊誌) |
| ジャンル | ストリートファッション(古着・スニーカー・デニム) |
| 部数のピーク | 実売65万部(注) |
| 休刊 | 2008年 |
| 復活 | 2014年10月9日(ムック形式) |
創刊時のテーマは「男の一人暮らし」でした。古着特集のヒットをきっかけに、ストリートファッションの内容を増やしていきます。90年代には、ストリートファッションの代表的な雑誌とみなされるようになりました。
(注)最盛期を1997年とする記述(ITmedia eBook USER)と、1996年の広末涼子さん表紙号とする記述(新刊JP)があります。
表紙で振り返る|1988〜1993年のBoon
弊店で取扱ってきた号の写真から、年代順に9点を紹介します。表紙の文字を追うだけで、流行の移り変わりが見えてくるはずです。
1988〜1990年|ひとり暮らし誌から古着誌へ

左上から順に、1988年10月号、1989年2月号、1989年11月号、1990年2月号です。
- 1988年10月号:表紙に「ひとり暮らしのビギナーズ誌」の文字。定価280円
- 1989年2月号:「キミの独立応援号」
- 1989年11月号:「古着」特集と「渋カジ」
- 1990年2月号:「Lee VS LEVI’S ヴィンテージ狩り!」
創刊1年弱で、ひとり暮らし誌から古着誌へ軸足が移ったことがわかりますね。
1990年5月号|「創刊1周年増ページ号」

特集は「LEVI’S 501はき方・穴場店12」です。Lee、ラングラーのヴィンテージを扱っています。定価は320円です。
表紙には「創刊1周年」とありますが、創刊は1986年のはずですよね。ただ、1992年5月号に「月刊化3周年」とあるため、月刊化から数えて1周年ということでしょうね(筆者の推測です)。
1990年4月・6月・7月号と1991年1月号

- 1990年4月号:「24時間ドッキドキ ひとり暮らしはモテる」
- 1990年6月号:「売れ筋シャツ×ジーンズ!1万円以下ここで買える」
- 1990年7月号:「夏の渋カジ 輸入スニーカー新定番46」
- 1991年1月号:「B-3から40古着までこだわり入手 ミリタリー革ジャケット91」。
「1万円以下」の予算感が、読者の財布事情をよく表しています。この年の定価は340円でした。クリスマス時期には、プレゼントやデートの特集も掲載されています。若い男子をターゲットにしていることがよくわかります。
1990年12月号|アメリカ特集号

「501XXからドーナツボタンまで 1万円台で絶対手に入る!アメリカン・ジーンズ復刻版」が表紙の見出しです。「プロ仕様スポーツ・スニーカー25」も載っています。
1991年8月号|NBAとナイキ

目玉は「NBAバスケ選手ご用達 プロモデル図鑑」です。ナイキの本場ロゴ入りウェアも載っています。
バスケットボールとファッションを結ぶジャンル横断の編集は、このころすでに始まっていたようです。
1992年2月号・3月号|エアジョーダンとポンプスニーカー

- 1992年2月号:エアジョーダンVIIを発売前に公開。「空軍フライトに緊急発進せよ」
- 1992年3月号:「ラルフ・GAP・チャンピオン 工場放出品を底値Get!」。ナイキ、リーボックのポンプスニーカーも特集
3月号の表紙は、プロスポーツチームのワッペンが並ぶジャケットがインパクト大。「工場放出品を底値Get!」等、やはり「安さ」を一つの紹介軸にする方針があるんですね。
1992年5月号|月刊化3周年「U.S.A大陸横断号」

「日本未上陸 NBA・MLB」グッズや、ビッグポロ、ビッグチノが並びます。
右側の背表紙は1993〜1994年の号です。定価は360円に上がっています。
1993年3月号|軍パンとGジャン

「U.S.軍パン解体新書」「Gジャン&カバーオール争奪杯」が柱です。N.Y.ハーレム発のマルコムX’93新作を輸入する企画もあります。
当時、映画『マルコムX』の公開やブラックカルチャー・ヒップホップ人気の高まりとともに、「X」のロゴがデザインされたキャップやTシャツなどのアイテムが日米で爆発的な人気となりました。そのブームに「Boon」が目を付けたのですね。
Boon EXTRA|「NIKE エアマックス全搭載247」

祥伝社ムックVol.5の別冊として発刊。エアフォースワン、ニューバランス、FILA等も紹介されています。祥伝社の公式ページでは、実売35万部の大ヒットムックと紹介されています(祥伝社)。


テニス、バスケットボール、ランニングシューズなど様々なルーツを持つスニーカーをカタログ的に紹介。資料的価値は非常に高いと言えます。
定価の推移
| 号 | 定価 |
|---|---|
| 1988年10月号 | 280円 |
| 1990年5月号 | 320円 |
| 1991年8月号 | 340円 |
| 1992年5月号 | 360円 |
約4年で80円、率にして約29%の値上がりです。この要因には、消費税率の引き上げが関わっているとされます。1989年の3%導入時や1997年の5%への引き上げ時には、あわせて定価の改訂が行われました。
これは雑誌全体の流れであったようです。例えば漫画雑誌の週刊少年ジャンプも1997年(平成9年)に10円値上げの措置を取っています。
ピークから休刊、そして復活
- 1995〜97年:ナイキのエア マックス95が大ブームになります。履いている人から奪う「エアマックス狩り」も社会問題になりました(OCEANS、AFPBB News)。
- 2000年代:裏原宿ブームと競合誌「smart」の追撃で、部数が苦戦します。2008年に休刊しました(Wikipedia)。
- 2014年10月9日:Boonが6年半ぶりに復活します。月刊化は、特別号の売れ行きを見て判断する方針でした(WWD JAPAN)。
- 2015年7月9日:夏号が復刊3号目として発売されました。定価は815円+税となっています(祥伝社)。
現在、2015年夏号以降の刊行は確認されていません。
2020年代の今|再評価の動き
2020年前後ストリートファッションの流行再燃とともに、「Boon」にも再度注目が集まります。バックナンバーの販売や関連書籍の刊行が行われました。当時を知らない若い世代にも、90年代ストリートの実像を伝える資料となっています。
2020年末には、代官山 蔦屋書店で「Boon」含む雑誌フェアが開かれました。約300冊が並び、価格帯は税別1,000〜5,000円です(FASHIONSNAP)。
2021年にはBoon元ライターの小澤匡行氏が『1995年のエア マックス』を出しています(FASHIONSNAP)。
まとめ|Boonは90年代の空気を残す1冊
Boon(ブーン)は、1986年の創刊から2008年の休刊、2014年の復活まで、若い男性のファッション文化を記録してきた雑誌です。表紙の文字をたどると、ひとり暮らし誌が古着誌に変わり、ナイキのブームを生んだ流れが見えてきます。
よくある質問
Q. Boonはいつ創刊し、いつ休刊した?
A. 創刊は1986年12月号、休刊は2008年です。
Q. 復活したのはいつ? 復活後は何号ある
A. 2014年10月9日の1回です。復刊後は3号まで出ました(2015年夏号まで)。
Q. 発行部数は?
A. 最盛期の実売は65万部です。資料ごとに表現が異なるため、本記事では編集長の発言として扱っています。
手元のBoonはどうする?
現在でも注目度の高い「Boon」のバックナンバー。もしお手元にあり、売却を考えているなら、まず次の4点を確認しましょう。
- 号数と発行年:背表紙や奥付で年代を確認
- 別冊・ムック:Boon EXTRAは別にしておく。「エアマックス全搭載」は単体で評価されることがあります。
- 付録:とじ込みや付録が残っているか見る
- 状態:日焼け、破れ、水濡れを確認する
売り方は、買取とフリマの出品の2通りです。出品は、梱包と発送をすべて自分で担います。
「送料無料」をうたう宅配買取でも、冊数や地域に条件が付く場合があるため、申込前に公式ページで確かめてください。
古書店三月兎之杜は、古い雑誌に強い古書店です。
「大量すぎて困っている」
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「価値があるかわからない」
そんな場合も、年代や冊数と写真をお送りいただければ無料でお見積りいたします。
お気軽にお問い合わせください。
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参考情報源
- ITmedia eBook USER「『Boon』復刊の理由」:最盛期の実売部数
- 新刊JP「『Boon』復刊の理由(1)」:1996年表紙号の部数
- WWD JAPAN「伝説のストリート誌『ブーン』が復刊!」:2014年の復刊
- 祥伝社「Boon 2015夏号」:復刊3号目・定価・付録
- Real Sound「『エア マックス95』ブームから20余年」:円高と買い付け
- OCEANS/AFPBB News:エア マックス95の高騰とエアマックス狩り
- The Armoury/Sneaker History:海外での評価・表紙
- FASHIONSNAP(2020年)/FASHIONSNAP(2021年)/ZOZO:2020年代の再評価
- Elastic(個人ブログ):2000年代の分析(参考情報)




