大阪府東大阪市より　『丸山眞男集』（岩波書店）揃をお売りいただきました。

３月末に大学の教授をご退官されることになり、お引っ越しをするので研究室の整理するとのことで、政治学関係のご本を多数、買取のご依頼をお受けしました。

皆様御存知の通り、丸山眞男とは政治思想史学者で、マックス・ヴェーバーの影響を強く受けた学者で、丸山の学問は「丸山政治学」「丸山思想史学」と呼ばれ、大塚久雄の「大塚史学」と肩を並べるほどの人だと思います。
今回お売りいただきました『丸山眞男集』を読むにあたって、「丸山政治学」「丸山思想史学」に対して過去に読んだ『現代政治の思想と行動』を踏まえて、批判的な気持ちで読んでいたのですが、第四巻・第五巻あたりにさしかかったあたりで、丸山眞男という人間の至大な力を感じてきました。

どこにその力を感じたかと言いますと、イギリス経験論の父と呼ばれる「ジョン・ロック」に対する説明も見事でしたが、中でもオススメなのは「肉体文学から肉体政治まで」です。過去にこの「肉体文学から肉体政治まで」が収録されている、『現代政治の思想と行動』を読んだ時には何も感じませんでしたが、現在の自分の立場で「肉体文学から肉体政治まで」を読んだ時、訴求力・鋭さ・深味を感じました。