埼玉県春日部市のお客様より、1997年発売の週刊少年ジャンプ42号をおゆずりいただきました。表紙はこの年19号にスタートした桂正和の『I”s』です。単行本表紙のような彩度を落としていく塗りに移行する前の、鮮やか目の塗りがキャラクターを引き立てます。
お品物の状態・ご評価のポイント
■経年なりのスレ、ヤケ、シミ、汚れ等がありました。
■応募券の切り取りが1ヵ所ありました。
■中割れがありました。
■落丁はありません。
本棚にて保管していただいたのか、背表紙には折れや褪色が見受けられますが、トップ画像のように表紙は鮮やかな状態です。残念ながらカラー記事中の『ロックマンDASH』体験版応募券が切り取られているため、わずかにご評価が下がってしまっております。
1997年の週刊少年ジャンプ
『I”s』と桂正和ヒストリー
本号の表紙を飾った『I”s』は先述の通り19号開始ですので、連載開始から半年経っていないタイミングでしょうか。作者の桂正和は、1983年の初連載作品『ウイングマン』がアニメ化もされるなどヒット作に。しかし同系列の『超機動員ヴァンダー』や、アイドルを題材とした『プレゼント・フロム LEMON』は短期連載に終わります。しかし『電影少女』『SHADOW LADY(Vジャンプ版)』『D・N・A² 〜何処かで失くしたあいつのアイツ〜』『SHADOW LADY(週刊ジャンプ版)』と、コンスタントにヒット作や佳作を生み出すようになっていきます。
桂の作品はSF要素の中に恋愛作品要素を絶妙な匙加減で盛り込んでいるのが特徴です。特にデビュー作の『ウイングマン』は、特撮オタクの主人公のバトルと、周囲のヒロインたちとの恋愛および恋愛未満の感情を絡めていました。この構成が80年代前半の特撮ブームとラブコメブームの波に乗ったことも人気の要因です。個人的には『ウイングマン』自体が「特撮ファンが生み出した特撮」としてブームを牽引していた印象がありましたね。
脱線しましたが、『I”s』ではSF要素を排し、普通の少年少女たちの感情を描く物語となっています。それでもすでに当時手垢のついた恋愛モノと一線を画していたのが、タイトルに込められた要素でもある主人公の一人称(I)視点のみでの物語描写でしょう。登場人物のイニシャルにも「I」が含まれるなど、タイトルには複数の意味が込められていますが、こうした制約のある物語進行や言葉遊びの要素にも似た要素もまた桂の持ち味でした。
なお「『プレゼント・フロムLEMON』にはSF要素はないのでは?」というツッコミはもっともです。でも検索すれば出てきますがレモンのダンスがSFです。曲はもちろんサンダーLOVE。
その他作品
現在まで連載が続く『ONE PIECE』も97年34号の開始でこの号ではまだ8話、ナミの初登場回ですので、まだ麦わらの一味がルフィとゾロだけですね。逆に『るろうに剣心』は第162幕、最終エピソード人誅編に突入したあたりです。
このほか直前の97年40号から許斐剛の『COOL -RENTAL BODY GUARD-』、41号から八神健の『きりん 〜The Last Unicorn〜』がスタート。いずれも98年8号と10号に終了と短期に終わっていますが、許斐剛は後に『テニスの王子様』でブレイク、八神健も他誌に移って『ななか6/17』ほかの作品で活躍しています。
広告ページ
単行本と本誌の大きな違いは、カラーページの有無や記事ページ、そして当時の流行の記録でもある広告ページです。42号の表4はセイコーのアルバ スプーンの広告は、アクションフィギュアのブリスターパッケージ風のデザインとなっています。当時いわゆる「激ヤバ即ゲット」の、アメトイブームだったことが窺えますね。















