
群馬県のお客様より「週刊少年ジャンプ」1984年15号をお譲りいただきました。登場キャラクターの可愛さに人気が伸びていき、1987年にテレビアニメ化。80年代を象徴するティーン向けラブコメ作品の一つとなりました。
お品物の状態・ご評価のポイント
キン肉マンのとじ込み付録シールは欠品していました。
経年なりのスレ、ヤケ、シミ、汚れ等があります。表紙、背表紙、裏表紙に破れ、折れがあります。
今回背表紙下部の破れや各部のスレ、ヤケなどが確認できますが、40年以上前のものですのである程度は当然です。『キン肉マン』のシールが欠品ということで、その点のみやや厳しい評価となっております。
1980年代ラブコメ作品事情
前号の1984年14号では猿渡哲也の『Mr.ホワイティ』が連載スタート。本作とあわせて「ホワイト&オレンジカラフル新連載」と銘打たれていました。残念ながら『Mr.ホワイティ』は10話で終了してしまうのですが、本作は1987年42号まで連載されます。
この時期、いわゆる少年マンガ誌を中心に一大ラブコメ作品ブームのただなかでした。こちらの記事で80年代に入った時に少年ジャンプの画風がライトな方向にシフトしたことに触れましたが、そのライト路線によって生まれたのが男女の恋愛をコミカルさをまじえて描くラブコメジャンルの誕生でした。
その先鞭となったのはやはり「少年サンデー」(小学館)の『うる星やつら』(1978~1987)でしょう。1981年からアニメもスタートし、83年からは毎年劇場版が公開されています。講談社は同時期に『翔んだカップル』(1978~1987:ただし新・続とシリーズ化)や『胸さわぎの放課後』(1980~1983)『The・かぼちゃワイン』(1981~1983)などを少年マガジンなどで発表、本家小学館も『みゆき』(1980~1984)『タッチ』(1981~1986)などを少年ビッグコミックや少年サンデーで連載。これらの作品はいずれもアニメ化、ドラマ化されています。
しかし少年ジャンプでは硬派な作風や、80年以降定着しつつあった低年齢層寄りの構成が影響したのか、このジャンルにおいては他誌の後塵を拝していたのが実情でした。『ストップ!!ひばりくん』(1981~1983)や『キックオフ』(1982~1983)といった作品もありましたが、前者はギャグ要素の比率が高く、後者は当時のラブコメ作品を茶化したパロディ要素が大きい作品でした。むしろ80年代前半はヒーローアクションものである『ウイングマン』が、正統派ラブコメ展開と両立させていましたね。
こうした経緯を経て『きまぐれオレンジ☆ロード』が発表された1984年は、ラブコメブームが定着したタイミングでした。
『きまぐれ☆オレンジ・ロード』という作品
この号の表紙画像に顕著ですが、まつもと泉の初期の画力はハイクオリティとは言い難いレベルでした。しかし連載開始後めきめきと画力が向上。トーンワークによる表現技法でも注目されていきます。登場キャラクターの可愛さも回が進むごとに進化していきました。
『きまぐれ☆オレンジ・ロード』のテレビアニメは連載終盤の1987年4月にスタート。製作はラブコメ要素の高い魔法少女もので80年代中盤に確固たる地位を築いたスタジオぴえろが手掛けており、十分な原作ストックによる安定したシリーズ構成と高品質の作画によってこちらも高い人気となりました。アニメ完結後も、映画やOVAなどの展開が続きます。
結果的に80年代ラブコメの最後発であるがゆえに、暖まっていた市場に安定した画力と超能力や時間移動などのSF要素による練り込まれたストーリーで参入し、最終的に市場を席捲できた作品といえるでしょう。
その連載開始号を収録した本号はやはり重要な一冊です。表紙と巻頭のカラーはもちろん貴重ですが、初期の画風の「誰?」感はファンならばむしろ出発点として手元に置いてほしいですね。












