買取情報| 雑誌『冒険王』 1975~1977年

1975年から1976年にかけての秋田書店発行の雑誌『冒険王』をお譲りいただきました。内訳は下記の通り
・1975年4月号
・1975年夏休み増刊号
・1976年9月号
・1976年10月号
・1977年2月号

「冒険王」は1949年創刊の由緒あるマンガ雑誌です。この時期は70年代前半に創刊された「テレビマガジン」や「テレビランド」に対抗すべく、テレビアニメや特撮作品のコミカライズに力を入れていた時期でした。
同誌ではすがやみつる版『仮面ライダー』シリーズや、桜多吾作版の『マジンガー』三部作といった作品も連載され、TVやそれぞれの原作者(石ノ森章太郎、永井豪)のマンガ版とも異なる、独自の展開や解釈を盛り込んだ作品も多く発表されました。ただし「冒険王」のラインナップはオリジナルマンガも多く)、他の「テレビ~」系の児童誌よりも若干高年齢向けの内容になっています。それは本誌の出自が一般的な少年誌から児童誌に寄せていったつくりであり、児童誌と少年誌の間のニッチ部分を狙っていたのかもしれません。事実この時期の秋田書店の少年誌「少年チャンピオン」の勢いもすさまじく、77年には一時少年ジャンプを発行部数で抜いてすらいます。逆にその勢いに飲まれといえるのでしょうか。80年代に入ると「冒険王」の連載陣はコミカライズ中心に移っていきます。

しかしそれでも高年齢を目指した残滓か、先述のように独自の展開や解釈のコミカライズ作品が多く、「冒険王版」は現在ではある種のブランドになっています。本編との乖離についても、作品によってはかなり初期段階のシナリオを参考にしていたため、アニメの製作過程で変更されたケースが多いようです。例えば79年に連載開始した岡崎優版『機動戦士ガンダム』には、ギレンの演説中継を観たアムロが怒りに燃えてモニタを殴り壊すというシーンがあります。かつては「テレビとキャラが全然違う」というネタにすらなりましたが、これは初期のシナリオにもあったシーンとのことです。当時の冒険王を振り返り、こういった現象?を検証していくのも面白いかもしれません。

 


▲桜多吾作版の『グレートマジンガー』のサンデーコミックス。前作の『マジンガーZ』も独自展開が多く、三部作最後の『UFOロボ グレンダイザー』(76年10月号の表紙も飾っていますね)では、ほぼオリジナルの展開と、大胆な結末を描き切っています。


懐かしい雑誌のご整理される時は、ぜひ、古書店三月兎之杜へご相談下さい。
詳しくは、古書店三月兎之杜の雑誌買取のページを是非ご覧ください。
フリーダイヤル:0120-996-504(10-20時/年中無休)でもお受けしております。
どうぞお気軽にご相談下さい。
皆様からのご相談を心よりお待ちしております。

よろしければシェアお願いします