東洋医学と指圧の本を宅配買取させて頂きました/古書店三月兎之杜

弊店は東洋医学や鍼灸、カイロプラクティックなど手技療法の本を積極的に買取させて頂いております。
今回は、多数の中国医学の本の他に、指圧の本を宅配でお売り頂きました。どうも有難うございました。

指圧の本を買取

せっかく指圧関係のご本をお譲り頂きましたので、今回は店長Tが独断と偏見で!お勧めの指圧治療院の選び方をお届けしましょう。

1.国家資格が必要です。

さて皆さんが「体が疲れたなぁ、試しに指圧に行こう」と思われたとき、どのようにお店を選びますか?
特に最近は「1回2980円!」といった格安マッサージ店が街に溢れ、本当に大丈夫?と悩んだ経験はありませんか?

小職が思うポイントは、まず、施術者が国家資格者かどうか、という点です。
指圧は正式には医療類似行為になります。よって施術をする為には「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格が必要です。基本的には専門学校で3年間学び、受験資格を得て、試験に合格する過程を経ます。
ちなみにこの3年間に払う学費の額、概ね4-500万はかかります。はっきり言って、生半可な覚悟では払える金額ではありません。

そして、自分の大事な体を施術者に預けるのです。特に首や腰など、もし間違った施術をされ悪くなったら、どうなるでしょう?
もちろん資格が絶対の判断基準ではありません。小職もかつては中国人の「無資格」のマッサージの先生にお世話になっておりました。その先生は施術はしっかりしており、治療院が移転しなければ今でも通っていたと思います。
しかし、資格の有無は治療院を見分ける一つのポイントではあります。もちろん安いに越したことはありませんが、もし初めて通うのでしたら、まずは「施術者が国家資格者かどうか」を確認すべきだと思います。そのお店のWEBサイトがあれば「求人募集欄」を見るとてっとり早いですね。

2.2つの流派、どちらを選ぶ?

さあ、気になったお店が「国家資格者」勤務と致しましょう。あとはどうするべきでしょうか?
結論を申し上げますと、良い先生に出会うまで、一か八かでお店に通うしかありません(苦笑)。
ただ極めて個人的な独断ですが、小職も、今まで色々な先生に通いましたが、先生によって、そこまで”劇的”に違うという体験はありませんでした。
それは何故なのでしょう?
小職が考えた結論は、指圧には2つの流派が認知されているにも関わらず、体感的に99%が片方の流派を学んだ先生だからです。

3.浪越徳治郎と増永静人

では、その2大流派の先生をご紹介致しましょう。
一人は、浪越徳次郎先生。もう一人は増永静人先生(両名とも故人)です。そして日本の指圧は、ほぼ浪越先生系列になるのです。
これには訳があります。
浪越徳治郎先生といえば、かつて「天才たけしの元気が出るテレビ」など、バラエティ番組でもお馴染みですが、昭和15年には日本最初の指圧専門学校である日本指圧専門学校を設立、そして昭和21年に日本指圧協会を立ち上げ、指圧を全国に普及しました。つまり、従来の民間療法のひとつにすぎなかった指圧を、国家資格まで格上げし、その地位向上を確立した第一人者なのです。
更に国家資格として先生を養成するために、指圧の教義を理論と実技として体系化しました。こうした浪越先生のご尽力で、指圧は日本全国に普及し今日に至るのです。
したがって、現在活躍されている先生は、この浪越指圧の理論と実技を元に施術を行っていると考えても良いでしょう。

続いて、もう一方の雄、増永静人先生。
京都大学哲学科を卒業後、先の日本指圧専門学校を第一期生として卒業し、昭和34年から10年間、同校で心理学を教えておりました。その後、独立し、独自の指圧施術所「医王会指圧センター」を設立します。
増永先生としては、浪越先生が教義を体系化するにあたり削ぎ落とした部分、いわゆる古い東洋医学に基づいた部分を大事にしたかったのかもしれません。

増永静人 指圧
現在も医道の日本社から発売されている、増永静人の先生向けの著書。もう一冊『経絡と指圧』と並び名著とされています。

4.経絡指圧

増永静人が提唱した指圧は「経絡指圧」と名付けられ、また海外では「禅指圧」として普及しました。本家「医王会指圧センター」では、今でも毎年のようにヨーロッパからの団体講習を受け入れており、増永先生のご子息が先生となって指導に努めております。
それでは、浪越指圧と経絡指圧では、どこが違うのでしょうか?
(ここから先は小職の個人的な感想となり、それは違うよ!と仰る方も多いかもしれませんがご容赦下さい)
浪越指圧でも、もちろん楽にはなるのですが、肉体的な面、筋肉がほぐれたなという感覚が強い印象です。もちろん経穴(ツボ)も押すのですが、ツボとツボの繋がりという考え方は無いように思います。

スジとツボの健康法
こちらは一般向けに書かれた『スジとツボの健康法』(潮文社)。現在も発売中です。初心者はまずこちらから。

一方、経絡指圧は、その名の通り、経絡として考えます。小職が受けた感想は、まず痛くなく、それでいて体の深いところに響きがあり(そこを押すと気持ちいい!という所ですね)、やがて全身に温かみ(気が充実する感じです)が巡ります。ですから施術中は大抵ぐっすり寝てしまいます。終わったあとは、全身が軽く、体中のこわばりが嘘のようにとれます。施術後、しばらく布団で寝ていることがなんと気持ちのよいこと!
ちなみに、このような自分の体のニュートラルな状態を知ることは大事なことなのです。その状態を知っていれば「いま体はどこまで無理をしているのか?」「そろそろ危ないのか、まだ大丈夫か?」ということが相対的に感じられるからです。

イメージ経絡体操
医王会発行の『イメージ経絡体操』。経絡にヒビキを与えるようなポーズが並んでいます。

しかし、医王会は民間の指圧センターですので、国家資格が取得できる訳ではありません。ですから経絡指圧を目指す先生は、まず浪越指圧を学んでから、あらためて医王会の講習を受ける形になります。
その点が、2大流派と言われているにも関わらず、日本で経絡指圧を行う先生が圧倒的に少ない原因でもあるのです。

症状別家庭でできる指圧
『症状別 家庭で出来る指圧』(有紀書房)。某古書店では1万円以上の値段がついておりますが、医王会指圧センターからコピー製本版でとして2,000円で発売されております。高値で買わないように、ご注意下さいね。

4.指圧業界の発展のために

小職も今でも月に1-2回、経絡指圧の施術を受けており、私の体の主治医となっております。最初に施術を受けたとき、今までの指圧とまったく違うことに衝撃を受けました。
個人的な贔屓が入ってしまい申し訳ありませんが、この経絡指圧がもっと全国に普及してほしいと願います。浪越指圧か経絡指圧か、どちらかを選ぼうにも、経絡指圧を行う先生が大変少ない現状では、判断しようがありません。そのためにはまずは私たちが経絡指圧の施術を受け、もし良いと感じたなら、その良さを広めていけば、より普及すると思います。指圧は日本独自の技術です。業界が発展することは、イコール私たち受ける側の為でもあります。
私たち専門古書店としても、その一端を担うことが出来れば、こんなに嬉しいことはありません。
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古書店 三月兎之杜では増永静人や東洋医学に関する本を高価買い取りしております。

買取価格の一例としては

経絡指圧 増永静人講義ビデオ3本セット医王会25,000円買取
家庭指圧技術講座 全4巻揃 増永静人医王会 9,000円買取

詳細は、古書店 三月兎之杜の東洋医学・鍼灸・漢方のページを是非ご覧ください。

東洋医学の本は高額な本が多いです。価値のある本は、価値のわかる専門古書店へご相談頂くのが一番です。
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